法人税についてのQ&A

法人税について、よくあるご質問や知っておきたい税務知識について解りやすく解説しています。

退職金の分割払いについて

「分野:法人税

【問】この度、取締役が退職いたしますので、当社で株主総会を開き、取締役に退職金を出そうと思っているのですが、資金繰りの関係上、何年かに分割して支払いたいと思っているのですが、税務上問題ありますでしょうか?

 

【答】原則は株主総会等で具体的に金額が確定した事業年度の損金となりますが、分割して支払った日に損金経理した場合も、損金として認められます。

 

法人税法基本通達では、以下のようになっております。

 

(役員に対する退職給与の損金算入の時期)

9?2?28 退職した役員に対する退職給与の額の損金算入の時期は、株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の属する事業年度とする。ただし、法人がその退職給与の額を支払った日の属する事業年度においてその支払った額につき損金経理をした場合には、これを認める。

 

つまり、原則としては、役員退職金はその支給が確定した年度の費用となるものの、通達はただし書きによって、複数年度に渡って分割支給した場合には、それぞれの年度の経費とすることも可能であることを示しています。

 

しかし、当然ながら株主総会決議もなしに支給するようなやり方では認められませんし、何十年にもわたって支給する内容であれば、退職年金だと判断されてしまいます。

取締役会及び株主総会で、分割支給の合理的な理由を説明し、支給時期と金額を明確したうえで、議事録を作成する事が必要となるでしょう。

また一般的に、赤字決算を避けるための分割支給は、合理的な理由にあたらず、資金繰りの都合であれば合理的な理由に当たるのではないか、と言われております。

 

分割支給した場合の、退職年金か退職金かの判断ですが、税法では、その判断基準を明らかにしておりません。

ただ、例えば10年分割ですと、実質、退職年金と変わらないため、年金と判断される可能性が高いのではないかと推測できます。あまり長期でない、2?3年以内での支給が実務上、妥当と思われます。

 

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